僕はよく落ち込む方です。1度イヤな出来事が起きると、早く忘れたいのに、なぜか頭の中でそのイヤな出来事を何度もリピートしてしまって、ますます落ち込んだりします。
そんな、落ち込んだ時、ヘコんだ時、気持ちを回復させてくれる魔法のようなメソッドが「ABCDEモデル」です。
拙著では何度かとりあげているので、ご存知の方も多いでしょうが、非常に有効なメソッドなので、改めてとりあげてみたいと思います。
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ソースは以下になります。
『オプティミストはなぜ成功するか』 (マーティン・セリグマン)
※アマゾンの紹介文より
ポジティブ心理学の生みの親マーティン・セリグマン博士。彼が数々の実験によって実証したのは、学校の成績でも、営業の数字でも、プロスポーツの戦績でも、選挙の得票率でも、健康面でも、寿命でも、ペシミストよりも、楽観主義者(オプティミスト)のほうがよい数字をとりやすいということだ。
ある大学の水泳選手たちを調べたところ、オプティミストと判断された選手たちのほうが、ペシミストと判断された選手たちよりも明らかに成績を伸ばした。妻を失ってから六カ月以内の男性の統計を見ると、ほかのどんなときよりも数倍死ぬ率が高い。大統領候補の発言を分析したら、悲観的な発言をする候補よりも、楽観的発言をする候補たちが当選していたなど、挙げればキリがない。
本書には、あなたがペシミストなのかオプティミストなのかを判断するテストがついている。自分がペシミストであることに気づいていない人もいるというから、ぜひやってみてほしい。
「ABCDEモデル」のやり方は以下の通りです。(ABCDEとは以下の英単語の頭文字です。)
●【Adversity】 何か困ったことが起きた時、その「困った状況」を紙に書いてみる
↓
●【Belief】 次に、それによって自分が抱いた「思い込み」を書いてみる
↓
●【Consequence】 そしてその「結果」として自分がどうなったかを記載する
↓
●【Disputation】 その後、その「思い込み」に対する「反論」を検討する
①その考え方に証拠はあるか?
②別の考え方はできないか?
③思い込みが本当だったとして、それは有用な意味を持つか?
④その考え方をして、何か自分に得はあるか?
↓
●【Energization】 こうした反論により自分を「元気づける」
●【Adversity】 「困った状況」を紙に書いてみる
「困った状況」とは例えば、
- 水道の蛇口が閉まらない
- 友達に嫌な顔をされた
- 赤ちゃんが泣きやまない
- 配偶者が話を聞いてくれない
など、起こったことを自分の評価を交えずに記載する。
●【Belief】 自分が抱いた「思い込み」を書いてみる
「思い込み」とは、その状況をどう解釈するか、ということ。感情と一緒にしないように気を付ける。
- ダイエットを台無しにしてしまった
- 私は無能だ
など、どれくらい正確な事実かを測れるものである。
●【Consequence】 そしてその「結末」として自分がどうなったかを記載する
「結果」には自分の感情と行動を書き込む。感情でも行動でも気付いたことはすべて記録する。
- もうエネルギーが残っていなかった
- あの人を謝らせる計画を練った
- ベッドに戻った
など。
●【Disputation】 その後、それに対する「反論」を検討する
「思い込み」への「反論」には4つのポイントがある。
①その考え方に証拠はあるか?
探偵になった気持ちで、「この思い込みの根拠になっている証拠は何か?」と問うてみる。例えば、「最低の成績だ!」には、本当に自分より成績の悪い人はいないのか探す。
「ダイエットが台無しだ!」には、本当に台無しになったのかカロリー計算をしてみる。など。
②別の考え方はできないか?
何事も原因が1つだけということはめったにない。例えばテストが悪かったとしたら、テスト自体が難しかった、自分があまり勉強しなかった、あまり頭がよくなかった、とても疲れていたなど。
原因はいくつもあるのだから、最も厳しい原因に固執する必要はない。ポイントは、変えることのできる、特定の、自分の責任ではない理由に焦点を当てることだ。
③思い込みが本当だったとして、それは有用な意味を持つか?
もしかしたらその思い込みは正しいかもしれない。けれどそれにどんな意味があるというのか。
ダイエットを破ってしまったからと言って、すごいデブということとはまた違うし、それでバカという訳でもないし、ましてそのためにすっかりダイエットを止めてしまう理由にはならない。
④その考え方をして、何か自分に得はあるか?
ダイエットを破ってしまったから、もうダイエットを止めてしまう。その考え方自体はまったく建設的ではないし有効とはいえない。思い込みが事実だったとしても、「有効かどうか」というまったく別の判断軸で考えてみよう。
●【Energization】 自分を「元気づける」
A~Eの過程で自分を元気づけることが出来たなら、それを記録すると良い。
あなたは落ち込むような出来事が起きたとき、どのように気持ちを処理しますか?
僕の場合、とにかくそのイヤな記憶が薄まるのを待ちます。何日か経てば記憶が薄まってきて徐々に気持ちが回復されるのですが、それまでは地獄のような苦しみを味わうことになります。それまでの期間は大抵、その出来事を考えないようにするわけですが、当然忘れられるわけもなく、常に咽喉に小骨が引っ掛かったような不快感と自己嫌悪を感じながら生活することになるわけです。
ところが、この「ABCDEモデル」を使うと、この小骨を早めに取ることができるのです。僕はこのメソッドを知って以来、落ち込むことが起きるといつもこの方法を使ってきましたが、この記憶が薄まるまでの地獄のような苦しみをかなりの部分、除去してくれます。何故でしょうか?
「ABCDEモデル」をはじめ、「トリプルカラム法」や「PRP法」など、鬱から抜け出すための様々な心理的メソッドが提唱されていますが、それらに共通することは、落ち込むような出来事が起きて、過剰に悲観的な見方になった事実認識を再解釈し、より建設的な事実認識に是正することです。
それには、まず落ち込む内容を客観的に記録し(A)、それに対する気持ちを吐き出し(B)、その気持ち=悲観的な事実認識に対して、反論する(D)のです。落ち込んだときに人間は大抵、過剰なくらい悲観的な認識に陥っているため、それを正常な認識に戻してやるのです。
「きっと大丈夫だよ!」「なんとかなるって!」という根拠のない励ましでもなければ、「あれはきっと何かの間違いだ」「僕は間違っていない」という現実逃避でもなく、事実に対する認識自体を論理的に修正することができるため、これは非常に効果があります。
ただし、「記憶が薄まるのを待つ」方法と違って、一度その落ち込んだ出来事に真正面から向き合わないといけないため、向き合っている時間はかなりキツいです。ただその分、早めに立ち直ることができるので、その価値はあります。いわば、早めに手術をするような感じでしょうか。
また個人的な経験から言うと、「ABCDE」と言いつつ、「C」と「E」はなくても成立します。繰り返しになりますが、落ち込む内容を客観的に記録し(A)、それに対する気持ちを吐き出し(B)、その気持ち=悲観的な事実認識に対して、反論する(D)までできれば、驚くほど心が軽くなっていることに気づくはずです。試してみると面白いと思います。
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