「一流大学と三流大学はどっちが得か?」「本当に一流大学の方が得だと言い切れるのか?」

…ということを問いかけた人がいます。日本でも人気の高い、マルコム・グラッドウェルです。

もう少しわかりやすく言うと、同じ成績の人がいたとして、「一流大学だけど下位クラスでいる」のと「三流大学だけど上位クラスにいる」のでは、どっちが良いのか?という点です。上記の比較を比喩でグラッドウェルは「大きな池の小魚と小さな池の大魚」という言い方をします。

まずは下記の本から、一流大学と三流大学の優秀さを比較してみようと思います。

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こんな本に書いてありました。

 

『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』(マルコム・グラッドウェル)

 

※アマゾンの紹介文より

まったく無名の女子高校バスケットボールチームが州大会で優勝したのはなぜか?
二流大学の優秀な学生が、一流大学のそこその学生よりも優れているのはなぜか?
弱い立場の者が絶対的強者に勝つ方法とは?小よく大を制す、その科学的方法論とは?

弱小チームでも、貧しくても、二流大学卒でも、「勝利の方程式」は必ず存在する!

『ティッピング・ポイント』(邦題『急に売れ始めるにはワケがある』、『アウトライアーズ』(邦題『天才!』)のグラッドウェルが、3年に及ぶ研究から徹底的に分析する!

 

(著者略歴)

マルコム・グラッドウェル

1963年イギリス生まれ。カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を経て、現在は雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターとして活躍中。邦訳には『天才!』『ニューヨーカー傑作選』ほかがある。

ある製品やメッセージが突然、爆発的に売れたり広まったりする仕組みを膨大な調査とユニークなフレームワークによって解き明かした最初の著書『ティッピング・ポイント』(邦題『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』)、人間は、長時間考えてたどり着いた結論よりも、最初の直感やひらめきによって、物事の本質を見抜くという仮説を検証した2冊めの著書『ブリンク』(邦題『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』)は、いずれも世界で200万部を超える大ベストセラーになっている。

 

 

これが「一流大学と三流大学の優秀さ比較」だそうです。

 

ジョン・コンリーとアリ・シナ・オンデルは、各大学の経済学の博士課程修了者に、「在学中の成績」と「学術誌への論文掲載回数」の関係を調べたところ、以下のようになった。

 

■各大学の「成績上位1%の学生」(上位グループ)の論文掲載回数

【一流大学の場合】

  • ハーバード大学:4.3回、MIT:4.7回、イェール大学:3.8回、プリンストン大学:4.1回、コロンビア大学:2.9回、スタンフォード大学:3.4回、シカゴ大学:2.9回 ⇒全体的に約3~5回

【三流大学の場合】

  • ノントップ30:平均で1.1回

 

■各大学の「成績上位学生30%」(中位グループ)の論文掲載回数

【一流大学の場合】

  • ハーバード大学:0.3回、MIT:0.5回、イェール大学:0.2回、プリンストン大学:0.6回、コロンビア大学:0.1回、スタンフォード大学:0.2回、シカゴ大学:0.2回 ⇒全体的に約0.1~0.6回

【三流大学の場合】

  • ノントップ30:平均で0.0回

 

つまり、一流大学の中位クラス(上位30%)の学生よりも、三流大学の上位クラスの上位クラス(上位1%)の方が論文の掲載回数が多い=優秀と言える。

大学のレベルでは明らかに明らかに差があるのに、三流大学の上位クラスが一流大学の中位クラスを上回ってしまうのは、「周りが優秀すぎると自分がバカになったような気がしてやる気をなくしてしまうから」、逆に「周りがバカだと自分が優秀になった気がしてやる気を出すから」

 

これが「他の大きな池の小魚と小さな池の大魚の例」です。

 

■アメリカ陸軍の昇進スピードと評価正当性

  • アメリカ陸軍の憲兵隊と陸軍航空隊に所属する兵士に、「自分の組織では有能な人材が正当に認められ、昇進しているか」という問いに対して、YESと答えた人は陸軍航空隊より憲兵隊の方が多かった
  • ところが実際には憲兵隊の方が陸軍航空隊の方が昇進スピードが速い。なぜ逆転現象が起きたかと言えば、昇進しにくい組織だったら自分が昇進しなくてもそこまで不満は持たない。けれども昇進しやすい組織の中で自分だけ昇進していないと不満が高まるからだと言う。

 

■各国の幸福度と自殺率

  • 国別の幸福度調査で、スイス、デンマーク、アイスランド、オランダ、カナダといった国は、自分が幸せだと答えた人が多く、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインは幸せではないと答えた人が多い
  • ところがこの2つのグループのうち、自殺率が高いのは前者である。これは、誰もが不幸な国なら自分に不幸が降りかかってもさほど落ち込まないが、周囲がみんな幸せだったら不幸が一層際立ってしまうから

 

 

 

上記をどう考えれば良いか。

 

上記の本には他に、「弱小チームが勝つには?」「貧しい家の子が勝つには?」「マイノリティが勝つには?」など、不利な側が有利な側に勝つ方法を紹介しています。ただ例が特殊なものが多く、唯一上記が面白かったのでとりあげてみました。

上記の事実をそのまま解釈すると、「無理してレベルの高い環境に入るより、自分がある程度上位に入れる環境に居た方が有利である」という結論を導くことが出来ます。

人間はある枠組みの中での相対的な位置に非常に弱い生き物なので、たとえば(あまりいい喩えではないですが、)美人ばかりのグループの中で8番目に美人な子よりも、ブスばかりのグループの中で一番美人な子の方が、たとえ前者の方が客観的に美人だとしても、後者の方が良く見えてしまう、ということです。

あと、これはフロー理論も関連するかもしれません。あまりに高い目標を掲げられるとうんざりしまうし、低すぎる目標だと退屈してしまう。ちょうどよく自分をストレッチさせてくれる環境こそ、一番自分を伸ばしてくれるのでしょう。

ただ一方で、これはかなり個人差もあるのではないかと思います。僕自身は、小・中学校が某国立大学付属、高校・大学が早稲田系列で、常に「周り全員が自分より優秀」という環境で育ってきたので、周りについていこうと必死で勉強せざるをえない、という状態が性に合っていたようです。ビジネススクールでもクラスで一番年下で、周りが皆すごいキャリアの人ばかりだったので、やる気をなくすどころか周りから学べることばかりでとても楽しかったのです。

逆に僕の場合は、「周りよりも自分の方が優秀」という環境だとすぐ怠けてやる気をなくしてしまうので、少し無理してでも「今の自分よりもレベルの高い環境」という方がモチベーションが上がるみたいです。

という訳で、一流か三流か、という観点ではなく、「自分が一番やる気が出る環境」に身を置くことが一番大切なのではないかと思います。

 

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