「どうすれば幸福になれるのか」。この迂遠なる問いに対して、現代の心理学者たちは既にいくつかの答えを出しています。
しかしながら、実際に「幸せになるための行動」をしている人というとかなり少ないのではないでしょうか。
以下でご紹介するのは、たった1人で幸せになるためのプロジェクトを立ち上げ、それを1年間かけて実行した汗と苦労の奮闘記です。とても面白かったので、今回はこちらを引用させていただきたいと思います。
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ソースは以下になります。
『人生は「幸せ計画」でうまくいく!』(グレッチェン・ルービン)
※アマゾンの紹介文より
ある日「私はもっと幸せになりたい!」と考えた著者グレッチェン・ルービンの、毎日の自分に小さな変化を起こすハッピープロジェクト。できないことは変えずに、できることだけ変えていまよりもっと豊かで幸福な人生を送るための、人生改造大作戦。
(著者略歴)
ルービン,グレッチェン
文筆家。イェール大学で法律を専攻し、大学卒業後、アメリカ初の女性連邦最高裁判事であるサンドラ・デイ・オコーナーの書記官となるが、文筆家へ転向。ミズーリ州カンザス・シティ出身。現在はニューヨークで夫と2人の娘と暮らす。
- 1年間、12ヶ月のプロジェクトで、毎月テーマを決めて進めていく。
- 毎月、各テーマに関連する「誓い」を決めて、毎月これを増やしていく。つまり、1月は1月分の誓いだけでよいが、2月は1月分と2月分の誓いにも取り組む。
- 毎日、寝る前に決めた誓いを守られたかどうかをチェックするチェックシートに記入する。
■1月のテーマ:「やる気」
- 早く寝る
- 運動する習慣を身につける
- 捨てる、戻す、整理する
- 先延ばしにしていたことを片付ける
- エネルギッシュになったつもりで行動する
■2月のテーマ:「結婚」
- 口やかましく言わない
- ほめ言葉やねぎらいの言葉を期待しない
- 正しく喧嘩する
- 不満や不安を口にしない
- 愛情を態度で表す
■3月のテーマ:「仕事」
- ブログを始める
- 失敗を楽しむ
- 協力を仰ぐ
- 仕事の効率を上げる
- 今を楽しむ
■4月のテーマ:「親であること」
- 朝、歌う
- 子供の感情を受け止める
- 幸せな思い出でいっぱいの家にする
- イベントの準備に時間をかける
■5月のテーマ:「遊び」
- 新たな楽しみを見つける
- バカなことを進んでする
- 寄り道をする
- コレクションを始める
■6月のテーマ:「友情」
- 友人の誕生日を覚える
- 寛大なことをする
- 友人の元へ出かけていく
- 友人の噂話をしない
- 新しい友人を3人作る
■7月のテーマ:「お金」
- ささやかな贅沢を楽しむ
- 必要なものは躊躇わずに買う
- 惜しみなく使う
- 何かを断つ
■8月のテーマ:「死」
- 他人の回顧録を読む
- 感謝ノートを作る
- 幸せそうな振る舞いをする
■9月のテーマ:「本」
- 小説を1編書き上げる
- 時間を作る
- 成果を求めない
- 画期的なサービスを使いこなす
■10月のテーマ:「注意力」
- 禅の公案に取り組む
- 心の法則を知る
- 脳の使い方を決める
- 食事日記をつける
■11月のテーマ:「態度」
- 声を出して笑う
- 礼儀正しくふるまう
- 前向きなことを言う
- 心の「避難所」を作る
■12月のテーマ:「幸福」
- プロジェクトの総仕上げをする
作者のグレッチェン・ルービンは、アメリカの連邦最高裁判事書記官となった才女で、その後作家に転身します。本書は、彼女が本気で「幸福」を実践していく顛末を追った彼女の奮闘記と言えます。
彼女はこのプロジェクトにあたって、プラトン、アリストテレスといった古代の哲学者からマーティン・セリグマン、ソニア・リュボミアスキーといった現代を代表するポジティブ心理学者まで、「幸福」について徹底的に調べ、各テーマごとに自分を幸せにしてくれそうなミッションを決めます。そしてチェックシートまで用意して、これらを本気で実践するのです。ここまで徹底的にできる人はそういないでしょう。
僕自身、科学的に「幸福になる」とされている習慣が本当なのかを検証するために、そうしたアクション、例えば、「感謝日記」や「親切日記」などを実践していた時期があります。
が、特に親切日記などは長く続きませんでした。なぜなら、「後で日記に書くために、誰かに親切にしている」ということ自体が、非常に偽善的で不自然な行動に思え、かえって(少なくとも主観的には)幸せとはほど遠い気持ちになってしまったからです。
彼女はこうしたジレンマは感じないのかと思ったのですが、彼女はこのプロジェクトにあたって自分だけのルールを作り、その中で「ありのままの自分でいる」ということを定めました。つまり、自分の気持ちに嘘はつかないようにすることで、自分には合わない行動はとらないようにしていたようです。
実際に、マインドフルネスに興味を持っていた彼女は、様々な研究で幸福度を増すとされている「瞑想」を勧められますが、どうしても自分にはやる気にならないと感じた彼女は、瞑想の代わりに、禅の「公案」に取り組みます。個人的にこれがとても面白いと思いました。
- 様々な知識を集めて、戦略的な目標を決め、それを実行する。
- ただし、そのやり方は「自分らしい」やり方をチョイスする(あるいはカスタマイズする)
という、彼女の考え方自体がとても創造的で、素晴らしい戦略方針ではないかと思います。
上記には、彼女が実践した12のテーマと約50のミッション内容を記載しましたが、上記の中で、「自分らしく実践できそうな」ものがあれば、真似してとりいれてみるか、上記をもとに新たな目標を作ってみると面白いのではないでしょうか。
個人的には、8月のテーマである「死」というテーマにとても興味をひかれました。僕自身、この中のどれかを実践してみたいなと思います。
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