『となりの億万長者』の著者、トマス.J. スタンリー教授が、更に調査対象となる億万長者を拡げ、億万長者たちの傾向を調査・分析し、「億万長者になるための8箇条」というものを提唱しています。
これを見ていきましょう。
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ソースは以下になります。
『なぜ、この人たちは金持ちになったのか』 (トマス J. スタンリー)
※アマゾンの紹介文より
学校、仕事、結婚、買い物―。ミリオネアの生き方・考え方はここが違う!純資産100万ドル(およそ1億1000万円)以上のアメリカ全土の億万長者を対象に、大規模調査を実施。初めて分かった彼らの「成功の秘訣」とは?NYタイムズ絶賛の全米ベストセラーを文庫化。
(著者略歴)
スタンリー,トマス・J.
アメリカ富裕層研究の第一人者。ジョージア州立大学教授職を経てニューヨーク州立大学オルバニー校マーケティング学部の教授となり、1973年、アメリカ全土の億万長者を対象とした初の大規模調査を実施。現在は教壇を退き、富裕層向けビジネスを行う企業や金融機関のアドバイザー、講演者として活躍している。1996年に発表したThe Millionaire Next Door(邦題『となりの億万長者』)は全米で200万部以上売れ、「金持ち本」ブームを巻き起こした
トマス・J・スタンリーによると、「億万長者の8箇条」とは以下です。
- 人一倍の努力、誠実さ。仕事への情熱。
- 学業成績が凡庸だからといって成功への意欲を失わない。
- 多少の経済的リスクを背負う勇気を持ち、失敗しても克服する方法を学ぶ。
- ユニークで高収益というだけでなく、心から愛着を覚える職業を選ぶ。
- 伴侶の選択は慎重に。成功の助けになる特質を持った相手を選ぶ。
- 家計支出をコントロールする。買い替えよりも修理。
- 家を選ぶときは充分に調査研究し、値引き交渉。
- バランスのとれたライフスタイル。家族や友人との交流はあまり費用がかからない。
億万長者を対象にした定量調査の結果、上記の8項目が導き出されたそうです。
ただ、本書を読む限りにおいては、どうもその根拠となる記述が曖昧で、本当にそう言い切れるのかが検証できませんでした。
例えば、「④ユニークで高収益というだけでなく、心から愛着を覚える職業を選ぶ。」の根拠となるファクトとして以下の記述があります。
「その仕事が最初から好きで職業にした、と答えた億万長者は55%。だが、仕事に対する愛情を経済的成功の根本要因と考えるミリオネアの割合となると、数字は一気に80%に跳ね上がる」
上記を読んでも、55%が一般層と比べて高いのか低いのかがわからないし、仕事が成功要因と考える人に限定すればスコアが上昇するのはごく当然で、誰がどう見てもこれを以って「億万長者はユニークで高収益というだけでなく、心から愛着を覚える職業を選ぶ」という結論にすることは出来ないでしょう。
このように、本書では上記8箇条が導き出された根拠が薄弱で、分析が誤っているのか、分析したけどその過程を記載していないのか分かりませんでした。
ただし、上記の8項目のうち「1」~「4」までは、ショーン・エイカーの「幸福優位7つの法則」や、リチャード・セント・ジョンの「成功するための8つの法則」などの各研究結果とも重なる部分も多く、また「5」~「8」までも、資産形成の戦略として一定の妥当性があるので、この8箇条自体は概ね誤ってはいないと考えて良いでしょう。
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