特に男性は権力志向の人の割合が多いと言われます。より高い地位、高い給与、良い待遇、大きな仕事。これらをまったく求めない人は少ないでしょう。それが幸せにつながるかどうかは置いておいて。
以下でご紹介するのは、「権力者」になるための方法を科学的に研究した結果です。
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※アマゾンの紹介文より
会社で出世するには、何を、どうすればいいのか?コネの作り方から人脈の開拓法、権力者らしい話し方、周囲の評判を上げる方法、不遇の時代のやり過ごし方まで、「権力」を握る人の法則をスタンフォード大学の著名教授が解明!ビジネススクールで教える人気講義を元にしたベストセラー、ビジネスマンの永遠のバイブルがついに文庫化。
(著者略歴)
ジェフリー・フェファー(Jeffrey Pfeffer)
スタンフォード大学ビジネススクール教授(トーマス・D・ディー2世記念講座)。専門は組織行動学。1979年よりスタンフォード大学で教鞭をとる。これまで13冊の著作を持ち、ハーバード大学ビジネススクール、ロンドン・ビジネススクール、IESEなどで客員教授や講師を務めている。 <主な著書>『影響力のマネジメント』、『事実に基づいた経営』、『人材を活かす企業』、『なぜ、わかっていても実行できないのか』などがある。
ジェフェリー・フェファーは、先行研究や組織内政治、経営者の経歴分析、ビジネスリーダー数百人の観察を通じて、以下の権力を握るための7つの要素を導き出した。
1.決意
- 絶対に大成するぞ、という強い決意を持つ。
2.エネルギー
- エネルギーと時間を費やせば成功確率は上がるし、上司はエネルギッシュな部下を昇進させることが多い。
3.集中
- 1業種や1企業、1つの職務やスキルに的を絞ってキャリアを形成する。1つの分野に専心すれば知識が深まるし人脈を築ける。
4.自己省察
- 重要な会議や心に残る話を聞いたら必ずノートにとり、自分がどう考えたかまでメモしておくという習慣を持っている人が多い。
5.自信
- 権力者は自信たっぷりに振る舞う人が多いので、知らない人から評価を受ける際に自信ありげな言動を見ると「この人はきっと力があるのだろう」という印象を持たれやすくなる。
6.共感力
- 交渉の場では互いに譲歩し合って妥協点を探ることが重要なため、相手の視点でものを考えられるかがポイントになる。
7.闘争心
- ほとんどの人は争いを避け、衝突するよりは譲歩し要求を受け入れてしまうので、暴言や圧力は加害者にとってこれほど有効な手段はない。
- 経済学者のジェームズ・メドフとキャサリン・エイブラハムの研究によると、企業の給与は実績よりも年齢および在職期間との相関性が高い。
- 別の研究でも、実績は昇進に有意な関係性は認められるものの、その影響はきわめて小さい。
- また知能と所得の相関係数は0.2とそれほど高くない。
本書で紹介されている「権力者に上り詰めるためのテクニック」は以下の通り。
- 上司を気分良くさせる
- 社内の部門の勢力を把握する
- 目立つ。他の凡人とは違うということをアピールする
- 人に恩を売る
- 人脈づくりに励む
- 権力者らしい話し方や振る舞いをする(背中をぴんと張り、胸を反り、直線的な動作を心がける)
- 周りからの評判やイメージを良くしておく
「権力を握るための7つの要素」で採り上げられている要素のうち、「①決意」「②エネルギー」「③集中」などは、他の研究結果とも一致した見解ですが、面白いのは「⑤自信」や「⑦闘争心」などです。
或いは、「権力者になるためのテクニック」の中でも、「上司を気分良くさせる」「社内の部門の勢力を把握する」「目立つ」「他の凡人とは違うということをアピールする」「人に恩を売る」など、一般的に見ると「イヤらしい」テクニックが並びます。
言ってしまえば、組織の中でのし上がっていくには、ただの「いい人」ではダメだということなのでしょう。戦略的に振る舞い、時には闘志をむき出しにしたり、誰かを利用することで、のし上がっていくことが必要ということなのでしょう。
これは、企業人なら誰でも多かれ少なかれ痛感していることなのではないでしょうか。出世する人が必ずしも人徳がある人だとは限らず、むしろ社内政治に長けた「ずるがしこい」人間が出世していくことはままあることです。
そういう意味では、組織の中でのし上がっていくことを志している人は、本書の内容は非常に役立つことと思います。
ただ、ここで書かれている内容はあくまで「組織の中でのし上がっていく」ための方法論であり、それは必ずしも「成功するための方法論」とイコールではない点に注意が必要です。成功者になるための道は「組織の中」だけにある訳ではないですし、例えばフリーで仕事をしていこうと思っている人が突然「権力者らしい話し方や振る舞い」をしても、引かれるだけだと思います。
ただ、単なる「いい人」でいる限りは、どんな環境においても、一握りの成功者には絶対なりえないという点は覚えておいても損はないかもしれません。
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