35年の年月と、3つの業界、7つの企業、26チームへの1万2000件の日記調査を分析して、「仕事のパフォーマンスを上げる」方法を研究した事例があります。
思った以上に面白い研究事例だったので、今日はこちらを見ていきたいと思います。
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ソースは以下になります。
※アマゾンの紹介文より
3業界、7企業、26チームへの1万2000の日記調査から、「やりがいのある仕事が進捗するよう支援する」ことでチームやメンバーの創造性と生産性が高まることが判明。しかし、669人のマネジャーへの調査で衝撃の事実が明らかに。「進捗の支援」が大切だと答えた人は、わずか5%だった―。私たちは、マネジメントを誤解してきたのかもしれない。1万超の日誌分析、669人のマネジャー調査…ハーバード教授と心理学者が35年の研究でついに解明。生産性と創造性は、こうすれば高まる。
(著者略歴)
テレサ・アマビール Teresa Amabile
ハーバード・ビジネススクール教授(エドセル・ブライアント・フォード記念講座)。ベンチャー経営学を担当。同スクールの研究ディレクター。
35年以上にわたり創造性、生産性、モチベーション、職場環境について調査し、その研究成果や理論をアップル、IDEO、P&G、ノバルティスなどの企業や、政府、教育の各組織に提供している。 全米ギフテッド教育協会E. Paul Torrance Award、リーダーシップ・クォータリーBest Paper Awardほか受賞歴多数。世界の経営思想家ランキング「Thinkers50」に3期連続で選出。TEDや世界経済フォーラムなどにも登壇。心理学博士(スタンフォード大学)。
スティーブン・クレイマー Steven Kramer
心理学者。リサーチャー。
組織内における主観的体験、成人発達論、乳幼児の知覚的・認知的発達などが専門。ハーバード・ビジネス・レビュー、アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナルほかに多数の論文を寄稿。アマビール教授とは長年にわたって共同研究を続けている。心理学博士(ヴァージニア大学)。
- 仕事の「創造性」(アイデアを生み出す)、「生産性」(仕事を着実にやり遂げる)、「コミットメント」(仲間や仕事を手助けする)、「同僚性」(チームの結束に寄与する)を挙げるのは、「インナーワークライフ」である
- 「インナーワークライフ」とは、マネジャー、組織、チーム、仕事、自分に対する「印象」のことである。この「印象」には、「認識(思考)」、「感情(気分)」、「モチベーション(意欲)」という3つの心理的プロセスが含まれる。
- この「インナーワークライフ」に最も影響を与えるのは、「やりがいのある仕事」が「進捗すること」である
- 次いで影響を与えるのは、「仕事の支援を直接支援する出来事」であり、これには例えば、「明確な目標設定」、「自主性」、「リソース提供」、「十分な時間」、「仕事のサポート」、「問題と成功からの学び」、「アイデア交換」などが含まれる
- その次に影響を与えるのは、「その仕事を行なう人の心に良い影響を与える対人関係上の出来事」であり、これには「尊重」、「励まし」、「感情的サポート」、「友好関係」などが含まれる
- 逆に、「仕事の障害」や「仕事の支援を直接妨げる出来事」、「その仕事を行なう人の心に悪い影響を与える対人関係上の出来事」などはインナーワークライフにネガティブな影響を与える
本書はかなり厳密な定量的・定性的な分析の結果得られた内容を丁寧に記載しているため、却ってまわりくどい印象になってしまっていますが、上記の研究結果をもう少しシンプルに整理してみると、以下のようになるかなと思います。
- 仕事のパフォーマンスを最も左右するのは、人の「気持ち」である
- 人が最もパフォーマンスを上げるのは、「やりがいのある仕事」が「進捗している」と感じている時である
- また、「仕事環境」と「人間関係」もパフォーマンスに影響を与える
こうして整理すると、わざわざ統計的な分析を加えなくても、僕たちが肌感覚で知っているような内容であると考えられます。
仕事のパフォーマンスに影響を与えるファクターのうち、1個人が「仕事環境」や「人間関係」をコントロールするのはなかなか困難だと考えると、僕らが仕事のパフォーマンスを上げたいと思うとしたら、
- やりがいのある仕事に取り組む、または、その仕事の中でやりがいを感じるところを意識する
- 仕事を日々進捗させる、または、進捗を確認できるような仕組み(進捗表など)を用意する
といったことが考えられると思います。
究極的に言ってしまえば、自分の好きなこと、得意なこと、意義を感じることに近い仕事を選び、取り組めばそれはやりがいの仕事になるでしょうし、日々進捗を感じられると思うので、自分のやりたい仕事を選ぶか、今それができないのならばそれに近づけるように努力することが一番良いのではないかと思います。
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