今日は、一般的な状況下ではなく、ある時間的・情報的な制約がおかれる中で決断をしないといけない人たちがどのような意思決定をしているか、という話です。

キーワードは、「直観」ということになりますが、どうも一般的に言われるところの「直感」とは異なる使われ方のようです。

以下で見ていきましょう。

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こんな本に書いてありました。

 

『決断の法則―人はどのようにして意思決定するのか?』(ゲーリー・クライン)

 

※アマゾンの紹介文より

消防隊員、集中治療室の看護婦、チェスのチャンピオンなどを調査対象とし、人が困難かつ非日常的な状況に立ち向かう際の意思決定のメカニズムの解明に務めた。人が正しく意思決定をする際の、隠れた「能力」に注目した書。

 

 

これが「難しい状況下での意思決定方法」だそうです。

 

難しい場面(時間に追われる場面、リスクの伴う決断、不充分な情報など)で素晴らしい決断を行なった対象者(消防隊長など)を調べたところ、合理的な意思決定、つまり、代替案を立案して比較評価するような意思決定方法はとっておらず、目前に迫る状況を1つの基本型として認識し、最初に思いついた妥当な選択肢を検討し、シミュレーションして意思決定をしていた。

こうした意思決定方法を「認知的意思決定モデル(PRD)モデル」と呼ぶ。

 

■「認知的意思決定モデル(PRDモデル)」の概要

  • 彼らは難しい状況に直面すると、それがどのような典型的なパターンなのかを見極める
  • 目標、手がかり、予測、行動手段などを認識し、行動のシミュレーションを行なってそれがうまく行けそうと判断できれば即座に行動に移す
  • うまくいかなそうな場合には方法を変更して次の行動シミュレーションを行ない、うまく行けそうなら行動に移す(これを繰り返す)

 

■「認知的意思決定モデル(PRDモデル)」の特徴

  • 重要なのは選択肢の評価ではなく、状況の評価と典型的パターンを見抜く判断力である
  • 行動手段は一連の手続きによる分析や比較によって評価されるのではなく、実際に行われた場合を想像することによって短時間で評価できる
  • 最良の選択肢ではなく、最初に利用できる妥当な選択肢が選ばれる
  • 最初に思いついた選択肢でうまくいくことが多いため、多くの選択肢を考える必要がない
  • 一度に一つの選択肢を評価する。複数の選択肢の長所・短所を比較し合うことはない
  • 選択肢が実行された様子を想像することにより、障害を発見したり、問題点の回避策を見つけることができる。そのため選択肢の実用性は高まる。一方、従来の意思決定手法は、単に最良なものを選択するだけで、その改善方法などは念頭にない
  • すべての評価が完了するまで待つのではなく、迅速な行動が重視される

 

 

 

上記をどう考えれば良いか。

 

一般的に賢い意思決定とは、このようなモデルで行なわれます。

  • 目標を決める。(これは1つに限らない)
  • 目標がそれぞれ、どこまで重要かを考える
  • オプション(選択肢)を並べる
  • どのオプション(選択肢)を選べば目標が達成できそうか、確率を考える
  • 最も確率の高いオプションを選ぶ
  • 後で選択の結果に基づいて目標を修正し、重要度を見直して、次の機会のオプション評価をとりいれる

ここで言うポイントは、「選択肢を比較評価する」という点ですが、上記で語られた認知的意思決定モデルの特徴は、「選択肢を比較評価しない」=「最初に出てきた選択肢でだいたいうまく行く」という点です。実際に、専門性が高い人ほど短時間で出した答えの方が正答率が高いという実験結果があるそうです。

ただし、ダニエル・カーネマン教授のように直感を頼りすぎるのもナンセンスだという見方もありますし、専門家の予測ほどあてにならないものはないという調査結果もあります。

僕らはどう考えるのが妥当なのでしょうか。

 

僕はこのように考えます。

  • 自らの専門性が高い分野、これまでの経験値が高いことは、直観的な判断は頼りになる
  • ただしそれ以外の分野は直感をあてにするより、代替案を立案して評価する合理的な意思決定の方が妥当性が高い
  • 僕らの人生に関わる決断が迫られる場合、僕らは自分の人生という作業を何年も行なってきたプロだと考えると、直観的な意思決定は充分あてになる
  • ことに、人生に関わる決断ほど正解はなく、ただ「自分自身が納得できるか、後悔しないか」という判断基準で評価すべきことが多いことを考えると、むしろ論理的思考や余計な外部情報が直観的な思考を妨げることもありえる

僕自身はそんな風に整理しています。逆に「悩み」などを解決する場合には、直観よりも合理的な解決策を実行する方が有効でしょう。

 

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