私たちは良いことがあると嬉しいと感じて、イヤなことがあると辛いと感じます。

ではこの「喜び」と「痛み」はどちらが強烈なのでしょうか?

また「喜び」や「痛み」が失われるリスクが発生する場合に、我々はどんな行動をとるのでしょうか?

これを体系化したのが「プロスペクト理論」です。以下で見ていきましょう。

 

 

ソース

 

 ソースは以下になります。

 

 『なぜ選ぶたびに後悔するのか』 (バリー・シュワルツ)

 

 

※アマゾンの紹介文より

多すぎる選択肢におしつぶされることなく、じょうずに選べば満足して生きられる。“選択の自由”に疑問を投げかけ、日々の決断を見つめなおす、目からウロコの選択術。

(著者について)

スワスモア大学心理学部教授。専門は社会理論、社会行動学。主な著書にThe Battle for Human Nature: Science, Morality and Modern Life、 The Costs of Living: How Market Freedom Erodes the Best Things in Life などがある。『アメリカン・サイコロジスト』誌をはじめ専門誌への寄稿も多数。

 

 

 

 

概要

 

 

「プロスペクト理論」とは、以下のような人間の心理傾向を指します。

 

■プラスの(嬉しい)出来事に対して

  1. 100ドル儲けて10ポイントの満足感になっても、200ドルなら20ポイントにはならず18ポイントくらいになる(「限界効用逓減の法則」)
  2. 利益や好ましい結果をもたらす選択肢の中で決断する時、私たちはリスクを避けようとする傾向がある(「リスク回避志向」)

 

■マイナスの(不快な)出来事に対して

  1. 200ドル損した時の痛みは100ドルを損した時の倍ほどは痛くない(「損失の限界不効用逓減」)
  2. リスクをとることで損失を避けられる可能性があるなら、リスクをとろうとする傾向がある(「リスク志向」)
  3. 100ドルの損失がもたらす痛みは、100ドルの利益がもたらす嬉しさ以上に強烈に感じられる(「損失回避志向」)

 

プロスペクト理論

 

 

解説

 

個人的にはなかなか興味深い理論です。

さてこの理論からどんなことが言えるのでしょうか。

 

まず、最初の教訓としては、

  • 「嬉しい出来事」は同じものや同じタイミングで一気に味わうよりも、種類や時間を変えて味わった方が喜びが増す

という点です。「限界効用逓減の法則」によって、同じ出来事を積み重ねるほど喜びは鈍化していくからです。

 

逆に、

  • 「辛い出来事」は同じものや同じタイミングで一気に味わった方が、種類や時間を変えて味わうよりも「辛さ」を抑えられる。

と言う点も重要でしょう。(「損失の限界不効用逓減」より)

 

そして最も大事な教訓は、

  • 人間はとにかく「損失する」ことを嫌がる(「手に入る」喜びの度合いよりも)

という点だと思います。この意味で、「○○が手に入りますよ」という訴求の仕方よりも、「このままだと○○が損しますよ」という訴え方の方が、相手にインパクトを与えられるでしょう。

 

カーネギーの「人を動かす3原則」には入ってきませんが、これも「人を動かす」ルールの1つとして覚えておくと良いかもしれません。