ミハイ・チクセントミハイ教授が書いた『フロー体験 喜びの現象学』は、「幸せ」「喜び」「楽しさ」などの問題を、世界で初めて統合的に研究した意欲作です。
チクセントミハイ教授は、10年以上にわたって、世界中で数千人の回答者から集められた膨大なデータを分析し、どんな経験が人間を「楽しい」と思わせるのかを解き明かしました。
それが「フロー」モデルです。本日はこれを見ていきたいと思います。
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ソースは以下になります。
※アマゾンの紹介文より
幸福、喜び、楽しさ、最適経験などの現象学的課題の本質を心理学、社会学、文化人類学、進化論、情報論を駆使し、原理的、総合的に解明する。マズローの自己実現の概念を超える一冊。
「フロー」とは、
- 「楽しさ」の究極的な状態(ある行為に完全に集中し、忘我状態になっている)
を指す。
・「フロー」が発生する際の特徴として、以下が挙げられる。
- 達成できる見通しのある課題に取り組んでいる
- 自分のしていることに集中している
- その作業に明確な目標がある
- 直接的なフィードバックがある
- 日々の苦労を取り除く、無理のない没入状態で行為している
- 自分の行為を統制しているという感覚を伴う
- その体験の後には自己感覚はより強く現れる
- 時間感覚が変わり、数時間が数分に、数分が数時間に感じられる
・フローの例として、「身体的なフロー」と「思考的なフロー」がある。
■身体的フローの例
- スポーツ
- ダンス
- セックス
- ヨガ
- 武術
- 美術
- 音楽
- 食事 ほか
■思考的なフローの例
- 数学
- 言語
- 歴史研究
- 科学
- 哲学 ほか
・「フロー」は、「挑戦水準」と「能力水準」が一定以上に達している際に発生していると言われている。
・この意味で通常、「余暇時間」よりも「仕事をしている時間」の方が、フローが発生する頻度は高い。(仕事は否が応でも「挑戦」や「能力」を求められるから。)
個人的に、この「フロー」という概念と、『フロー体験 喜びの現象学』は、人生観を変えるくらいの衝撃がありました。
僕らは、例えば彼女がいなくても、お金がなくても、正社員になれなくても、様々な身体的活動や知的活動によって、楽しい人生を送ることが出来るし、更に言えば、女性にモテていても、お金がありあまっていても、大企業に勤めていても、一定の挑戦をしたり能力を使ったりしなければ、楽しさを獲得することが出来ないのです。
これは、すべての人間に平等に与えられた幸福機会であり、すべての人を生の牢獄から解放する画期的な研究結果だと思います。僕らが幸せになるために生まれてきたのだとしたら、自分の「フロー」がどこで発生しえるのかを探索し、追求することが、人間の生きる目的や意義と言っても良いのかもしれません。少なくとも僕はそう思います。
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