自己啓発書に最も多く書かれている教えの1つは、「直感を信じよう」ということです。

ただ、このよくわからない、「直感」という代物を信じていいのか。

それをじっくり検討・検証した書籍が、マルコム・グラッドウェルの「第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい」です。

ただ、邦訳の書名とは異なり、この本の論旨は、「直感は常に正しい」ということではありません。また、最初から最後まで「直感」という言葉で書かれていますが、全体の論旨を見ると、日本語で言うところの「直感」ではなく、「印象」という言葉で訳した方がいいのでは?とも思ってしまいます。

 

ともあれ、この本に書かれていることを紐解いてしましょう。

 

 

ソース

 

 ソースは以下になります。

 

『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 (マルコム・グラッドウェル)

 

※アマゾンの紹介文より

副題は「『最初の2秒』の『なんとなく』が正しい」。あれやこれやと悩んだ末に下した判断が間違えていた、という経験は誰にでもあるだろう。米国のジャーナリストであり、ヒット商品や購買者心理の研究などで知られる著者は、長時間考えてたどり着いた結論よりも、最初の直感やひらめきによって、人は物事の本質を見抜いていることが多いのではないかという疑問を抱いた。調査を進めると、それを裏づける数多くの事例や学術的根拠が存在することが分かったと言う。

芸術作品を一目見ただけで「贋作だ」と判断する人々がいる。そのように理屈ではなく一気に結論に達する脳の働きを「適応性無意識」と呼び、身体が持つ五感の延長線上にある「第六感」とは区別して解説する。夫婦の何気ない15分の会話を記録したビデオから、15年後の関係をほぼ予測し得るという心理学者がいる。「勘」や「経験」など曖昧な論拠ではなく、夫婦の1秒ごとの表情やしぐさを徹底的に分析した結果を示すのだと言う。

それとほぼ同様の作業を、我々の脳が瞬時に行っているとしたらどうか。日常生活やビジネスなどから様々な事例を示しつつ、「数秒の中にある一生を左右する判断の力」を理解し磨く方法を指南する。

(著者略歴)

グラッドウェル,マルコム

イギリスに生まれカナダで育つ「ワシントン・ポスト」紙のビジネス・サイエンス担当記者を経て、雑誌「ニューヨーカー」の専属ライター。著書『ティッピング・ポイント』は世界的なベストセラーとなった。現在はニューヨーク市在住

 

概要

 

グラッドウェルの、直感に関する見解は以下の通りです。

 

  • 直感はあてになる。人間は理屈抜きで瞬間的な情報処理を行なって正しい判断を行なう力を有している。
  • ただし、それを妨げる力も同時に働く。

 

例えば、

  1. 見た目の印象などのバイアスによって、正しい判断力が鈍る
  2. 無理に言語化したり、理由を考えたりしてしまうことで、正しい判断力が鈍る
  3. 時間的制約による緊張によって、正しい判断力が鈍る

などが挙げられる。

 

・これを防ぐには、

  1. 出来るだけバイアスや先入観を排して判断する
  2. 無理にその判断を言語化したり、理由づけしたりしようしない
  3. 時間的な余裕を持ち、ゆったりとした正常な精神状態で判断する

などが有効。

 

 

解説

 

「直感」(「印象」?)をここまで詳しく分析した書籍はなかなか希少で、その意味で言うととても価値ある分析であると言えるでしょう。

ちなみに、僕がある調査データで分析したところ、「超幸せな人」(幸福度10点満点で「10」を付けた人)に共通する、統計的に最も特徴的なファクターの1つは、「直感で判断する」ということでした。「直感」と「幸福」がここまで密接に関わるとは正直、驚きですね。

 

ただ、では「自分の直感を頼る」には具体的にどうしたらいいのか?という点までは本書には書かれていません。

おそらくは具体的なメソッドになると、拙著でも紹介した、「自分の身体に聞く」「洞穴の老人を想像する」「ワイズセルフに聞いてみる」などが有効、ということになるのだと思います。

ただ、どのメソッドを使うにしても、上記のように、「出来るだけバイアスや先入観を排して判断する」「無理にその判断を言語化したり、理由づけしたりしようしない」「時間的な余裕を持ち、ゆったりとした正常な精神状態で判断する」などの点に気を付ける、と言う点はとても重要だと思います。

例えば、お酒に酔いながら上記の方法を試しても(1度やってみたことがありますが)、正常な精神状態ではないため、まったく良い直感は働きません。